おんな城主直虎の16話から登場している龍雲丸。
柳楽優弥さん演じる盗賊団の頭(かしら)は、直虎にとってとても大きな意味合いを持つ人物となります。
では、龍雲丸はどのように物語に食い込んでくるのか?
今回はそのあたりを詳しく見ていきましょう。
龍雲丸は実在の人物?
その前に気になるのが龍雲丸は実在した人物なのかということ?
実は龍雲丸は史実には一切登場しない架空の人物です。
おんな城主直虎に登場するオリジナルキャラクターなので、直虎とのエピソードの全て架空のストーリーとなります。
ただ、史実に登場しない架空の人物であるからこその自由度。
直虎にとっては直親亡き後の精神的支えになり、大河ドラマの中でも小野政次に並ぶくらいに直虎の信頼を得ることになります。
龍雲丸とは?
龍雲丸は幼い頃に戦で両親を亡くした後、浜名湖の側の気賀(きが)という町で盗賊の頭として暮らしている人物。
「南朝の皇子が隠した財宝を探している旅人」ととして直虎と出会い、その後は井伊領付近の木を盗んでいる時に中野直之に捕らえられ、直虎と再会します。
ひょんなことから直虎を監禁して井伊家に身代金を要求するという事件を起こしますが、これは小野政次の策によって失敗。
この時、龍雲丸一味の能力の高さを間近で感じた直虎は、井伊領内の材木を切り出す仕事を依頼します。
龍雲丸はとにかく頭がキレ、子分をまとめる統率力にも優れた人物。
戦で人手が足りなくなった井伊領にやってきて木材の伐採を請け負うと、その能力を発揮して順調に仕事をこなしていきます。
龍雲丸は基本的に武家のことを良く思っていないのですが、直虎には一定の信頼を置き、子分が村人と問題を起こした時は、直虎を信じる気持ちと子分の反感と板挟みに苦しむシーンも・・・。
最終的に井伊家の家臣や村人からも信頼されて家臣になることを求められますが、これを拒否して自由の身でいることを選択しています。
直虎との恋の行方は?
龍雲丸は直親亡き後の井伊家を守るために現れた人物ではないのかと妄想を膨らませ、内心では龍雲丸に好意を抱く直虎。
直虎は何とかして龍雲丸たちを井伊家に留めておきたいと画策します。
ただ、木材を伐採する際に手を握られただけでも赤面してしまう状態。
南渓和尚や傑山、昊天、直之には龍雲丸に対する好意をしっかりと読み取られています。
さらに、泥酔して龍雲丸に絡み、「われのものになれ」と言ってしまう始末・・・(笑)。
龍雲丸は確実に直親亡き後の直虎との恋愛パートを担当しているので、政次との関係もどうなっていくのかも見ものです。
一方、龍雲丸は直虎をどう思っているのか?
好き勝手遊びまくっている盗賊の頭(想像)というだけあって全く表には出しませんが、直虎のことを信頼してそれなりに気になってはいる様子。
最終的には断りますが、一時は井伊家の家臣になる事を決心するくらいなので、直虎に対しては完全に心を開いています。
政次が亡くなった後に直虎の支えになるのは龍雲丸だとみて間違いはないでしょう。
まあ、この辺りは龍雲丸役に柳楽優弥さんがキャスティングされているところをみても明らかですね(笑)。
堀川城での瀕死の重傷を負う
龍雲丸の人生は受難の連続。
落城寸前の戦場で自分を逃がすために父は命を落とし、逃げ延びたと思ったら今度は盗賊に捕まり、その仲間になって生き延びることになります。
そんな龍雲丸に訪れるのが、徳川軍の遠江侵攻により再び戦に巻き込まれてしまうという事態。
酒井忠次が堀川城の城兵も領民も関係なく攻め滅ぼすという策をとったため、龍雲党の仲間や民を救出しようと戦の中に飛び込んでいきます。
徳川勢の猛攻に負傷していくゴクウやモグラといった龍雲党のメンバーたち。
龍雲丸もカジを助けようとして、腹をざっくりと刀で斬られて意識を失ってしまいます。
龍雲丸だけは生存者捜索に来た直虎に発見されますが、その他の龍雲党のメンバーは行方不明になってしまいます。
死の淵からの生還
かろうじて息があった龍雲丸は、龍潭寺に搬送され懸命なる手当が行われます。
下がり続ける体温にあらゆる手段で体を温めて血止めの薬を用いるも、今度は逆に高熱が出てしまうというという厳しい状況。
直虎は寝食を忘れて看病を続けます。
政次の処刑で自分の半身を失った直虎にとって、龍雲丸を失うことはすべてを無くすに等しかったんでしょうね。
そして、「生きていてほしい。もう誰も失いたくない。」という直虎の思いが通じたのか、龍雲丸は意識を取り戻します。
順調に回復した龍雲丸は、自分の周りの世界が少しずつ変化していることを感じ、次の一歩を踏み出そうとしていました。
龍潭寺を抜け出し、気賀へと戻る龍雲丸。
あの戦で生き残った仲間が戻ってきているのではないか?
「頭」としての責任感、自分が今何をすべきかを迷ったうえでの行動だったのだと思います。
自分だけ生き残ってしまったことに罪悪感のようなものを感じる龍雲丸に、直虎がかけた「そなただけでも助けられてよかった」という言葉。
二人が同じような境遇であることに気づいた龍雲丸は、この時に直虎を支えていくことを決心したのではないかと思います。