「男の一人旅は寂しい」←それは妄想です

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『男の一人旅は寂しい』←そんなのはタダの妄想だと思います

「男の一人旅は寂しい」

このようなことを言う人は非常に多いです。しかし、私はこの言説をタダの妄想だと思ってます。

なぜなら、1人の時間が好きな人もいますし「男の一人旅は寂しい」と言っている人の話をよくよく聞いてみると「あまり旅をしたことがない人」であったり、そもそも「誰かと一緒じゃなきゃ遊べない人」であることが非常に多いからです。

果たして男の一人旅は、本当に寂しいものなのでしょうか?

今回は、この「男の一人旅は寂しい」といった言説を、いろいろな角度から分析したいと思います。

ぜひ最後まで、この記事を読んでください。

『男の一人旅は寂しい』なぜこれが妄想なのか?

なぜ「男の一人旅は寂しい」なんて言葉が出てくるのか?

それはDNAと関係があります。

進化生物学的において人間は「心配性」になるように進化しました。

狩猟時代、食べたことのない果実には、毒が入ってる可能性がありますし、行ったことのない場所には好戦的な部族や獰猛(どうもう)な猛獣がいる可能性があるからです。

そのため、ひと一倍心配性になり、あまり移動せず定住生活をするのが人間にとって賢い生存戦略となりました。

ところが、アフリカ単一起源説と言いますが、人類はある時を境に新たなる地を求めて「海を越え、山を越え、砂漠を超えて」世界中に散らばり文明を築きました。

その中でも日本人は中国大陸から、天敵の少ない島国に流れ着きました。

そのようなことから日本人は、セロトニン濃度が低下しやすく不安を感じやすい「セロトニントランスポーター遺伝子SS型」を持つ「世界一の不安症な民族」となりました。

「一人旅は嫌」

「とにかく群れていたい」

もう、これらはDNAに刻まれたネガティブ思考なわけです。

しかし、現代社会において危険なことは多いのでしょうか?一人旅は寂しいものなのでしょうか?

例えば中央アフリカのコンゴ民主共和国を一人で歩いていたら、先住民族に鉄パイプで殴られてお金を取られることが、あるかもしれません。

でも、これが先進国の観光地であったり日本国内であれば、ほとんど人から襲われることはないでしょう。自分が心を開くかどうかで、現地の人とも仲良くなれる可能性もあります。

もしも、あなたが「一人旅」に少しでも興味があるのなら「一人旅は本当に寂しいものなのか?」実際に旅に出て検証すべきです。

アフリカ単一起源説

アフリカ単一起源説とは、地球上のヒトの祖先はアフリカで誕生し、その後世界中に伝播していったとする、自然人類学の学説です。

セロトニンとは何か?

セロトニンは、脳内の神経伝達物質で、気分や覚醒リズムに関わる重要な役割を担っています。セロトニンは、脳の興奮を抑え心身をリラックスさせる効果があり「幸せホルモン」とも呼ばれます。

『男の一人旅は寂しい』←これが妄想である証拠

DNAの他に「男の一人旅は寂しい」これが妄想である証拠をいくつか上げることができます。

  • 旅をすると、ストレスホルモンが低下する
  • 日本と同じ島国であるイギリスの旅事情
  • 統計的に増加傾向も一人旅

順番に解説します。

旅をするとストレスホルモンが低下する

旅をするとコルチゾールというストレスホルモンが低下します。

立教大学現代心理学部の小口孝司教授は「通常の週末を過ごす人」と「1泊2日の旅行に参加の人」の2群を作り、旅行群には、旅館に泊まってもらって、さまざまな活動を行ってもらいました。

  • 旅行に行く前
  • 旅行の最中
  • 旅行に行った後

上記の項目別に調査したところ、旅行に行った群は旅行に行かなかった群よりも、コルチゾールが低くなっていたのです。

その他にも旅行者の唾液中のストレス物質の測定をした大規模な研究はあり「旅はストレス解消に良い」といった結果を示しています。

このように「男の一人旅は寂しい」とか「一緒に行く人がいないから」と言って、旅に出ないのは非常にもったいないです。

非日常を体験することにより、ストレスは解消されていくのは、いろいろな研究から明らかなので、躊躇せず旅に出るべきなのです。

日本と同じ島国であるイギリスの旅事情

日本と同じ島国であるイギリスは、曇天の日が多く冬場は日照時間が短いため、ビタミンDが不足していると言われています。

ビタミンDとは紫外線を浴びることで皮膚から合成することが可能なビタミンなのですが、ビタミンDが足りないと、不安感が増すなどの精神への影響があり、イギリス留学に行った人が「気分が悪くなってスグに帰ってきてしまった」なんて話が世界各国にあったりします。

そんなイギリスの3000人を対象とした2011年頃の旅行実態調査では、18歳から78歳の間に、平均で年2回の長期休暇を取り、1回の旅行に平均1392ポンド(約18万6000円)を費やすという結果がでました。

年換算すると37万円ほどで、一生分に換算すると2200万円以上ものお金を、イギリス人は旅行費に使っています。

イギリスの書店などに行くと、大きな旅行コーナーがあり多数の旅行雑誌があるのですが、イギリス人は沢山、旅行に行きます。

学生の頃は「ロンドン、ブラックプール、ブライトン」などの国内旅行を堪能して、大学卒業後はギャップイヤーで「オーストラリア、ニュージーランド、アジア」などを1年間バックパックをしょって旅に出ます。

そして就職してからはアメリカやカリブ海のキューバに行ったりしてます。

イギリス人はアメリカ人のようにNoとはストレートに言いません。

 I’m sorry, I’m in the middle of something.(ごめん、今立て込んでるだ)

上記のように何か頼み事をされた時も「やんわり」とした表現で断りを入れます。

同じ島国なだけあり、日本人とイギリス人は気質が似ています。

このように、日本と同じ島国であり気質の似ているイギリス人が、これほど旅をしているわけですから、日本人が旅に消極的なのは、非常に変な話なのです。

もしかしたら、変な思い込みのせいで、日本人が旅に対して消極的なのではないでしょうか?

ギャップイヤーとは何か?

ギャップイヤーとは、学生が「大学入学前、在学中、卒業後」などに、長期間大学での学業から離れ様々な活動を行うインターバル期間のことです。

ギャップイヤーで有名なのは、既に解散しましたがJacksGap(ジャックスギャップ)という双子のYoutuberです。

JacksGap(ジャックスギャップ)は、色々な国へ旅をして色々なチャレンジをするなど、ギャップイヤー中の記録をYoutubeにアップしてチャンネル登録者数361万人のモンスターYoutuberになりました。

統計的に増加傾向の一人旅

英国を拠点とする国際市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルが39カ国、各約1000名に対して、2024年1月〜2月にかけて消費者調査を行いました。

その中の「休暇に行くときは誰と行きますか」のアンケートで「一人で旅行することが多い」と回答した人の割合は以下のようになりました。

  • 世界:7.2%
  • 日本:19.2%

意外なことに日本人の5人に1人が、一人旅をしてることが判明したのです。

「近年、旅行者が減った」と言われる日本ですが、一人旅をする人の割合は高まっているのです。

「男の一人旅は寂しい」

本当にそうでしょうか?もしも、寂しくならない方法があるのなら、周りの目など気にせず、どんどん一人旅をしたい人が実は沢山いるのではないでしょうか?

『男の一人旅は寂しい』←この思考を克服する具体的な方法

「男の一人旅は寂しい」

この思考を克服する方法は以下の通りです。

  • 日光を浴びる
  • よく運動をする
  • バランスの良い食事をする
  • コンフォートゾーンをズラすように訓練する

あまり旅とは関係ないことも書いていますが、精神が整わないと「じゃあ、一人で旅にでよう」なんて気にはならないものです。

以下で順番に解説するので、ぜひ読んでみてください。

日光を浴びる

日光を浴びるとビタミンDとセロトニンが生成されます。

セロトニンは精神の安定に役立つ脳内物質であり、ビタミンDはそのセロトニンの働きをサポートする働きがあります。

そのため、不安遺伝子を持つ日本人は積極的に日光浴をすべきです。

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皮膚から吸収できるビタミンDの量にも限度があるため、だいたい15分〜30分程度、日光に当たると気分が良くなりますし、夜も眠りやすくなります。

よく運動をする

よく運動をすると、精神が安定します。

筋力トレーニングも良いですが、軽い有酸素運動が効果的で、ストレスホルモンの分泌を抑制する作用があります。

だいたい20分〜40分くらい、軽いウォーキングやジョギングをすると良いです。

日光の効果と合わせて、朝にウォーキングやジョギングをするのが非常に効果的です。

バランスの良い食事をする

バランスの良い食事をするのは、精神を整える上で非常に大切です。

なぜなら、適切な量のバランスの取れた栄養素を体に取り込むと、体の様々な機能が向上するからです。

もちろん、あまり食べ過ぎると太りますし、逆に過度なダイエットはストレスになります。

そのため1日2〜3食で、1食につき「腹八分目」の「もう少し食べられそうだな」くらいの食事量に抑えるのがコツです。

ジャンクフードやお菓子は、過度に削るのはストレスになるので、たまには良いですが、なるべく控えた方が良いです。

特にお砂糖を使う食品は、血糖値が乱高下してイライラしやすくなるので意識的に控えるべきです。

過度なダイエットや、お菓子の食べ過ぎで精神不安になっている人は非常に多いので注意してみてください。

コンフォートゾーンをズラすように訓練する

心理学的に人間には以下のゾーンがあると言われています。

  • Comfort Zone(コンフォートゾーン):自分にとって快適な安全領域
  • Learning Zone(ラーニングゾーン):自分の経験よりも少しハイレベルな学びの領域
  • Panic Zone(パニックゾーン):過去の経験が全く通用しない危険な領域

何か夢や目標を口にしても、何もしない人はComfort Zone(コンフォートゾーン)で止まっている人です。

これは、けして「怠け者」といった短絡的な意味ではなく、人間に元から備わる「心理的ホメオスタシス」が要因です。

心理的ホメオスタシスとは、変化を拒んで一定の状態を維持しようとする、心の働きです。

狩猟時代で例えるなら「今いる縄張りにいた方が、別の場所に移動して食料を確保するよりかは安全だろう」といった、心のセーフティーネットです。

狩猟時代なら、別の場所に行って食料を取りに行くのは、他部族や猛獣がいたので命懸けでしたが現代においては、そんなことはありません。

新しい仕事をするにしても、まだ見ぬ場所へ旅をするにも「命懸け」になることは、ほとんどないので、現代人はどんどんチャレンジした方が得です。

例えば本当は旅に出たいのに「男の一人旅は寂しいよ」と言って旅にでないのは、心理学的にはComfort Zone(コンフォートゾーン)の中にいるということです。

そのため、旅で言うなら一歩踏み込んで国内旅行をするとかアジア旅行をするとか、Learning Zone(ラーニングゾーン)に移動してみると良いです。

しばらくは違和感があるかもしれませんが、そうやってLearning Zone(ラーニングゾーン)で頑張っていると、だんだん慣れてきて、国内旅行やアジア旅行をしている状態がComfort Zone(コンフォートゾーン)になり「じゃあ次は、ヨーロッパに行ってみよう、アフリカに行ってみよう」といった具合に、気持ちが変化するのです。

ぜひ、少し背伸びをして、Comfort Zone(コンフォートゾーン)をズラす努力をしてみてください。

『男の一人旅は寂しい』そんなことは言わず、ぜひ旅に出てください

以上、「男の一人旅は寂しい」といった言説について、色々な角度から分析してみました。

日本人は世界一の不安遺伝子を持っているため、基本的には内向きで旅には出たがらない民族です。

生存戦略としてリスクを避けることを選択してきた民族と言えます。

しかし、交通が発達して治安も改善された現代において、旅をすることを恐れる必要はありません。マインドを少し変えて積極的になるだけで、旅を通じて素晴らしい体験ができるのが現代です。

「男の一人旅は寂しい」といった言葉は、単なる思い込みか悪い生活習慣からくる精神不安の影響かもしれません。

ぜひ、「男の一人旅は寂しい」とは言わず、前向きに旅に出てください。


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