速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)をご紹介!

今回は「青い鳥居」と「神秘的な大滝」が魅力的な、宮崎県西都市にある速開都比売神社(はやあきつめじんじゃ)を紹介します。
ぜひ最後まで読んでください。
速開都比売神社の概要
- 名前:速開都比売神社(はやあきつめじんじゃ)
- 住所:宮崎県西都市大字片内字湯之内11843番地3
- 電話:0985-74-3433
- ご祭神:速開都比売命(はやあきつひめのみこと)祓戸大神(はらえとのおおかみ)、伊勢大神(天照大神)、猿田彦大神(さるたひこおおかみ)、天細女大神(あめのうずめおおかみ)
速開都比売神社の歴史
- 1974年:創建
- 1976年:青い鳥居、献上
- 1978年:社殿の入魂式
- 1982年:伊吹戸主神社
- 1982年:伊吹戸鳥居と大滝鳥居、献上
速開都比売神社(はやあきつめじんじゃ)は1974年、昭和49年に創建された比較的新しい神社です。
速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)には、水の神・山の神・龍神が祀られています。伊吹戸主神社は災いを清める神で、大滝には龍の守護神が祀られています。
速開都比売神社(はやあきつめじんじゃ)は、神のお告げにより、この「宮崎県西都市大字片内字湯之内」の地に1973年より、8年をかけて社殿が建立されています。
速開都比売神社の由来
速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)の由来は、以下の通りです。
古事記伝説に伝わる大祓詞、高天原に神留り坐す皇等親神漏岐、神漏美の命、似ちて、八百万神等を神集へに集へ賜ひ神諮り、大祓詞の祝詞として、速川の瀬に座す神々の瀬織津比売の神、潮の八百会に坐す速開都比売の神、気吹戸に坐す気吹戸主の神、根国、底国に座す速須良比売の神比く佐須良か失ひてば罪といふ罪は任らじと祓い給えと申す事の由を天つ神、国つ神、八百万神等に一心の願いを聞き届ける神力の神様です。
現代的に意訳すると以下の通りです。
大祓詞(おおはらえびことば)にて、高天原に鎮座する天皇の祖先にあたるカムロギという男の神とカムロミという女の神の命により、全国の神々が集う神議り(かみはかり)を行いました。そこで大祓詞(おおはらえびことば)の祝詞(のりと)として「罪という罪は無い」と罪や穢れを取り除くといった「天つ神、国つ神、八百万神」等に一心の願いを聞き届ける神力の神様をお祀りしています。
大祓詞とは何か?
大祓詞(おおはらえびことば)とは、神道の祭祀に用いられる祝詞(のりと)の一つです。
もともと大祓式に用いられ中臣氏(なかとみうじ)がもっぱらその宣読(せんどく)を担当したことから、中臣祭文(なかとみさいもん)や中臣祓詞(なかとみのはらえことば)とも呼ばれています。
また大祓詞(おおはらえびことば)は毎年6月と12月の末日に行われる大祓(おおはらえ)で、犯した罪や穢れを祓うために唱えられた祝詞で、中臣氏が京の朱雀門で奏上していたことから中臣祓(なかよみのはらえ)とも呼ばれています。
中世には陰陽道や密教と結びつき、陰陽道の呪言や仏教の経典のように、唱えるだけで功得が得られると考えられるようになりました。
現在では大祓(おおはらえ)の際に参拝者自らが唱えるほか、神社本庁包括下の神社では毎日神前にて唱えられています。
祝詞とは何か?
祝詞(のりと)とは、神職が祭典の際に神様へ奏上する言葉です。または神様を祀り祈る際に唱える言葉です。
高天原とは何か?
高天原(たかまがはら)とは古事記において、神々が生まれる場所として、その名が登場します。
イザナギ(伊邪那岐)とイザナミ(伊邪那美)の二人の神が、空から鋒(ほこ)を降ろして、かき混ぜて日本列島を作ることから、海の上の雲の中に存在していたと言われています。
高天原には多くの神が住み「天之安河(あめのやすかわ)、天岩戸(あまのいわと)、水田、機織の場(きしょくのば)」などがあり、人間の世界と非常に近いです。
ちなみに古事記と並ぶ日本最古の史書である「日本書紀」には、高天原の名は、ほとんどみられません。
カムロギとカムロミとは誰?
カムロギ(神漏岐)は男性の神で、カムロミ(神漏美)は女性の神です。この二柱は、天皇の祖先にあたる男女の神と解釈されますが「古事記」などには登場しない謎の多い神様です。
男女の対となる神様という特徴があるので、イザナギ(伊邪那岐)とイザナミ(伊邪那美)の夫婦神と同一視され語られていたりもします。
天つ神と国つ神とは何か?
天つ神とは、またの名を天津神(あまつかみ)と呼び、天上世界である高天原の祖先にあたる神々を指します。
国つ神とは、またの名を国津神(くにつかみ)と呼び、地上に土着して活躍する神々のことを指します。
八百万の神とは何か?
八百万の神(やおよろずのかみ)とは、神道の考え方で、森羅万象に神を感じる日本古来の思想を表す言葉です。
八百(やお)は数が極めて多いことで万(よろず)はさまざまであることを意味し、多種多様な数多くの神という意味です。
神道では「太陽、月、風、家のなかの便所」など、世の中に存在するすべての物に神が宿っていると考え、そうした無数の神々を「八百万の神」として崇めています。
速開都比売神社のご利益
速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)のご利益は以下の通りです。
- 厄除け
- 縁結び
- 夫婦円満
- 水難守護
- 商売繁盛
- 無病息災
- 家内安全
- 事業繁栄
- 方位除け
- 交通安全
- 勝運合格
- 所願成就
なぜこのような、ご利益を得られるのかと言うと、速開都比売命(はやあきつひめのみこと)、祓戸大神(はらえとのおおかみ)、伊勢大神(天照大神)、猿田彦大神(さるたひこおおかみ)、天細女大神(あめのうずめおおかみ)を祀っているからです。
速開都比売命と祓戸大神の関係
祓戸大神(はらえどのおおかみ)は、お祓いの神様で、罪や穢れを祓い清める神です。
- 瀬織津比売神(せおりつひめのかみ)
- 速開都比売神(はやあきつひめのかみ)
- 気吹戸主神(いぶきどぬしのかみ)
- 速佐須良比売神(はやさすらひめのかみ)
上記のように祓戸大神(はらえどのおおかみ)は四神で構成されており、速開都比売命(はやあきつひめのみこと)は、その四神のうちの一柱です。
大祓詞(おおはらえびことば)には、この祓戸大神(はらえどのおおかみ)の四神が罪穢れを祓う様子が描かれています。
猿田彦大神とは、どんな神様か?
猿田彦大神(さるたひこおおかみ)は、日本神話において天孫降臨の際に道案内をした神で「みちひらきの大神」として知られています。
天細女大神とは、どんな神様か?
天鈿女命(あまのうずめのみこと)は、日本神話に登場する女神で、歌や舞、芸能の神として知られています。
速開都比売神社の見どころ
速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)の見どころは以下の通りです。
湯之内吊り橋
速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)へ参拝するためには、一ツ瀬川(ひとつせがわ)の上に架かる湯之内吊り橋(ゆのうちつりばし)を渡らないといけません。
水面からの高さは10mくらいで、橋床は金網のスケルトン構造になっています。一ツ瀬川(ひとつせがわ)はエメラルドグリーンで、時期によってはやや乳白色がかった緑色をしていて、写真撮影のスポットとしても良いです。
橋を渡って右手に100mほど進んだところに、速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)があります。
参拝鐘
速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)の社務所の端っこには参拝鐘といった黄金の鐘があります。
前向きなパワーをもらえる「参拝開運自祓いの鐘」だそうで、鐘を三回打つことで神様に自分が来たことを知らせることができ、その後お参りをするとご利益をさづけれるそうです。
青い鳥居

速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)の本殿前には、全国でも珍しい「青い鳥居」があります。
ご祭神である速開都比売神(はやあきつひめ)は、水の神であることから青い鳥居が奉納品として献上されているようです。
現在、青い鳥居は全国で5か所ほど確認ができているのですが、なんと宮崎県には2か所、青い鳥居があります。一つはこの速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)で、もう一つは同じく宮崎県延岡市の港神社(みなとじんじゃ)です。
伊吹戸主神社
速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)の境内社として、気吹戸神社(いぶきどじんじゃ)があります。
気吹戸神社(いぶきどじんじゃ)で祀られているのは、祓戸大神(はらえとのおおかみ)のうちの一柱である気吹戸主命(いぶきどぬし)です。
大滝

速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)の本殿の奥には大滝があります。
大滝の横には「龍神、水神、山神」が祀られており、参拝者による積石があります。
大滝の水は天から降る雨が土に浄化されて流れる「神水」として信仰されており、夏の日や嵐の日は激しく流れ、春の日や秋の日は穏やかに流れ、冬の日は弛みなく流れている水の強さは「まさしく自分自身の人生と同じである」と教えられています。
「開運祈願・健康祈願・家内安全祈願」をこの大滝の神々に祈願される方は、大滝の水を汲み、持ち帰り、災い祓いの水として家の四方にまくと良いそうです。
心霊スポットとしての速開都比売神社
速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)は心霊スポットとしても、知られています。
昼間の速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)周辺は非常に美しい場所ですが、夜になると人もいないため雰囲気がガラっと変わります。
- 死装束を着た女性がいた
- 滝近くに血みどろの女性が立っていた
- 女性と子供の悲鳴が聞こえた
などなど、夜になると女子供の霊に遭遇する人が多いようです。
一ツ瀬川(ひとつせがわ)付近では昔から女性や子供の自殺者が多く、鎌倉時代には「疫病が流行った」という話もあります。
速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)周辺は山に囲まれた地域なのですが、速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)から南西に10㎞あたりには山の民で有名な「サンカ」の集落があったと言われています。
サンカの人々は交易をしたり人助けもしているため、山賊とは分けて考えるべきですが犯罪者や犯罪者予備軍の人間が山に住み着くのは、昔から良くある話です。
そのため大昔は、女性や子供が犯罪者のターゲットになりやすい環境であったと言えるでしょう。
速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)と断定はできませんが、このような死者の魂を供養するために「一ツ瀬川のふもとに社を立てた」といった話も残っています。
速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)は昼は綺麗ですが、夜は雰囲気が本当に変わるので、心霊スポットとして興味のある人は、ぜひ足を運んでみると良いでしょう。
速川神社と速開都比売神社の関係
速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)と宮崎県の速川神社(はやかわじんじゃ)は深い関係にあります。
速川神社は速開都比売神社から7kmほど下流にあり、速川神社のご祭神は瀬織津比売神(せおりつひめしん)です。
速開都比売神社のご祭神である速開都比売命(はやあきつひめ)と速川神社のご祭神である瀬織津比売神(せおりつひめしん)は、祓戸大神(はらえとのおおかみ)のうちの二柱で、以下のような役割があります。
- 瀬織津比売神(せおりつひめ):もろもろの「禍事・罪・穢れ」を川から海へ流す
- 速開都比売神(はやあきつひめ):河口や海の底で待ち構えていてもろもろの「禍事・罪・穢れ」を飲み込む
- 気吹戸主神(いぶきどぬし):速開都比売神がもろもろの「禍事・罪・穢れ」を飲み込んだのを確認して根の国・底の国に息吹を放つ
- 速佐須良比売神(はやさすらひめ):根の国・底の国に持ち込まれたもろもろの「禍事・罪・穢れ」をさすらって失う
つまり、速川神社が「禍事・罪・穢れ」を川から海へ流す役割があり、速開都比売神社が河口や海の底で待ち構えていて「禍事・罪・穢れ」を飲み込む役割があるわけです。
このような意味から、速開都比売神社と速川神社はセットでお参りに行くべきです。
速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)をご紹介!:まとめ
以上、速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)について紹介しました。
速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)の創建は1974年で、歴史としては浅いのですが、記録に残っていないだけで、もともと水神信仰や龍神信仰のあった場所である可能性は高いです。
ぜひ、速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)に足を運んでみてください。実際に足を運ぶことで、記録に残っている以上のことが分かるかもしれません。
アクセス情報
- 名前:速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)
- 住所:宮崎県西都市大字片内字湯之内11843番地3
- 電話:0985-74-3433
- 駐車場:あり
今回紹介した速開都比売神社(はやあきつひめじんじゃ)の青い鳥居の意味について、以下の記事で深堀しています。ぜひ、こちらの記事も読んでみてください。
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