3分でわかる山名宗全の生涯!細川勝元との関係を分りやすく解説!
室町時代、将軍を支える管領とともに幕政で活躍したのが四職と呼ばれる立場の人たちです。
四職は守護大名の四家(赤松、一色、京極、山名)のみが交代で務めることができる幕府の要職でした。
その四職を務めた山名宗全は、応仁の乱では西軍の総大将として武勇を発揮し、敵味方双方を震えあがらせました。
そんな宗全の人生とはどんなものだったのでしょうか?
今回は山名宗全について深く迫ってみたいと思います。
山名宗全の生涯を簡単に解説
山名宗全(1404~1473)は室町時代の武将で守護大名です。
父は山名時熙(ときひろ)といい、幕府で重役を務めた実力者でした。
時熙の死後、兄との権力闘争に勝利した宗全が家督を継ぎました。
1441年、6代将軍・義教が家臣の赤松満祐に暗殺される事件が起こると、討伐軍を率いて挙兵し、満祐はじめ赤松家臣団の多くを自害に追い込みました。
こうして赤松氏の旧領を手中に治めると10か国を支配する守護大名となりました。
しかし8代将軍・義政が赤松再興に動くと、これに強い拒否を示し、家督と守護職を子の教豊に譲り但馬国へ下向します。
やがて、幕政に復帰した宗全は管領家を巡って協力関係にあった細川勝元と対立を深めていきます。
畠山氏の後継者、斯波氏の後継者、そして足利将軍家の次期将軍を巡っても意見が対立していきました。
大内氏や一色氏らを巻き込んで反細川派を結成すると、自身が支援する畠山義就を上洛させ、将軍との会見の場を設けました。
これによって勝元が支援する畠山政長を管領からの失脚させることに成功した宗全は、代わって斯波義廉を管領に迎えたため勝元との衝突は、いよいよ決定的なものとなっていきます。
ついに義就が政長との間に戦闘を開始すると宗全は義就に加勢し、政長を撃退しました。
この戦いののち宗全の所領である播磨国を旧領主の赤松氏が侵攻する出来事が起こりました。
これに呼応して宗全の子・是豊は隣の備後国を攻め、双方で戦闘状態に入りました。
やがて、争いの火種は京都にも飛び火し、各国から集結した守護大名たちが宗全派と勝元派に分かれて戦うという未曽有の大混乱に陥り幕府の機能は完全に停止しました。
戦いに終わりが見えない中、宗全は病に倒れ亡くなります。
この戦いに終止符が打たれたのは、その死から1年後のことです。
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将軍から名前を賜る
宗全の幼名は小次郎と言い、10歳で元服しました。
そのとき4代将軍・義持から一字を賜り、「持豊」と改めました。
現在では「宗全」の名で知られていますが、それは彼が出家したあとに名乗ったものでです。
九死に一生 将軍殺しの現場に遭遇
宗全が将軍義教の御供として守護大名・赤松満祐の屋敷を訪問した際、満祐が義教を討つという事件が発生します(嘉吉の乱)。
これは義教が恐怖政治を行っており、気に入らない家臣を躊躇なく粛正してきたため、「いずれ自分も」と疑念を抱いた満祐が先手を打った事件だったといわれています。
このとき宗全は命からがら屋敷を脱出し、領国に逃げ帰りました。
そして体制を整えると討伐軍を指揮し、播磨に侵攻。
満祐はじめ赤松氏の討伐に成功しました。
この功績が認められ赤松領は宗全が治めることになります。
細川勝元との関係
応仁の乱では敵味方の総大将として激しい火花を散らした宗全と勝元。
しかし、ふたりの関係については、あまり知られていないのではないでしょうか?
実は、2人には密接な関係があったのです。
勝元に嫁いだ娘は宗全の養女でした。
つまり、養女を通じて宗全と勝元は義理の父と子の関係だったのです。
それだけではありません。
子宝に恵まれなかった勝元夫婦は宗全の子・豊久を養子に迎えています。
宗全と勝元は家族も同然の関係だったのです。
しかし、2人の関係は政局を巡って崩壊することになります。
まず1465年、周防国の守護大名・大内政弘が勘合貿易の問題で勝元から厳しく問い詰められる出来事がありました。
すると政弘は宗全に接近。
同じ年、斯波氏で家督争いが起こると宗全と勝元が別々の後継者を支持し、両者の関係に亀裂が生じはじめます。
翌1466年、赤松氏の再興問題が浮上すると勝元がこれを支援し、赤松氏の遺児・政則が加賀国の守護大名に返り咲きました。
さらに勝元に待望の子が生まれると養子の豊久を追い出してしまいました。
赤松といい、豊久といい、その扱いに不満を大きくしていった宗全は、ついに自身の息のかかったものを管領として幕政に参加させ、勝元が支援する者を追い出すことで巻き返しをはかりました。
こうして両者の関係崩壊は決定的なものとなり、前代未聞の大乱へと発展していきます。
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