映画『真田十勇士』を観た感想!残念すぎる理由がコレ(ネタバレあり)!
真田丸が盛り上がる中公開された映画『真田十勇士』。
歴史と名のつく映画は観に行かなければ行けないだろうという、訳の分からない責任感から劇場まで行ってきました。
ただ、結論を言うと『う~ん、厳しい・・・・。』といった感じ。
正直、歴史ドラマなのか、コメディなのか、はたまたラブストーリーなのかハッキリしない内容でした。
途中で席を立つ人もいたので、その人とは『求めていたのはコレじゃない感』が共有できたのではないかと思います(笑)。
あらすじ
真田十勇士は冒頭が何故かアニメから始まり、猿飛佐助と霧隠才蔵がタッグを組んで、どんどん仲間をスカウト。
そして、気弱で決断力に欠ける真田幸村(加藤雅也)を一躍有名にするために猿飛佐助と霧隠才蔵が裏で幸村を操ると言ったストーリーです。
そして、徳川と豊臣の戦が始まって大阪城に入る真田幸村と十勇士。
大坂冬の陣では真田丸を築いて徳川方を撃退するも、続く夏の陣では決死の突撃も虚しく、徳川軍の前に十勇士の多くと幸村が討ち取られてしまいます。
亡くなった幸村から淀殿と秀頼のことを託された佐助と才蔵は、徳川方に囲まれた大阪城の櫓の中で一芝居打ち、見事に秀頼を薩摩に逃すことに成功します。
簡単にあらすじを思い出すとこんな感じなのですが、この中に幸村と淀殿、霧隠才蔵と火垂(ほたる・大島優子)の恋愛というあまり必要性を感じない要素が付け足されて展開していきます。
率直な感想→何かイマイチまとまっていない感じ
まあ、こんな感じで内容を思い出しながら記事を書いているわけですが、やっぱり『この映画何がやりたかったんやろ??』って感想しか出てきません(笑)。
気弱な幸村が覚醒して勇敢に徳川軍に立ち向かう場面があるのですが、その場面は鬼気迫るものや、犠牲になっていく十勇士たちの姿も涙を誘いました。
正直、私も戦場で十勇士が散り、幸村が徳川家康をあと一歩のところまで追い詰めながら討ち取られてしまうシーンは泣いてしまいました。
関連記事→家康に切腹を覚悟させた真田信繁の大坂夏の陣での最期の様子!!
ただ、歴史好きとしてはここがピーク。
この後に幸村と淀殿の恋愛要素がカットインしてきた後、映画の中でも最大のどんでん返しがあるのですが、ハッキリ言って『コレいる?』って感じでした。
一緒に観に行った友達も微妙だったようです。
大坂の夏の陣で幸村と十勇士が壮絶に散るという展開が胸熱ポイントだと思うので、幸村の最期をクライマックスにすれば評判はかなり違ったハズ・・・。
それ以降の展開はない方がきっちりとまとまったような気がします。
私は史実(世間一般の定説)に沿った作品でないと楽しめないタイプだと気付いたので、今回の真田十勇士はちょっと合いませんでした。
なので、映画を見た後の違和感を払拭するために、家に帰ってソッコーで真田丸で口直しをしました。
やっぱり、今思い返しても火垂や淀殿の恋愛パートはいらなかったよね・・(笑)。
舞台は評判が良かったようですが、舞台と映画では伝わり方も変わってくるんですかね?
良かった点
全体的には面白くない映画という評価になってしまいますが、中には『凄いな~』と思ったポイントもあります。
それは合戦シーンがリアルで迫力があること。
おそらく真田丸では大坂の陣がクライマックスとはいっても、そこまでの予算をつぎ込んでの制作はできないと思います。
何が言いたいかというと、セットや合戦に参加するエキストラ(CG?)が少なく、思ったよりもショボい戦闘シーンになると予想しています。
ただ、真田十勇士は真田丸(砦のほうね)のセットから参加しているエキストラの数まで大規模。
CGも駆使して、迫力のある戦闘シーンが描かれていました。
大坂の陣がどんな感じの戦いだったのか?
その全体像や合戦の壮絶さを感じられるという点では真田十勇士の合戦シーンは見る価値があったと思います。
たぶん、コレを観たら大河ドラマの大坂の陣がショボく見えてしまうでしょうね(笑)。
関連記事→真田丸とは?大坂城にあった難攻不落の出城の場所と仕組み!!
あと、真田十勇士を見て感じたのは、戦国武将というのは演じる役者さんのオーラがそのまま反映されてしまうんだなということ。
- 真田幸村→加藤雅也さん
- 柳生宗矩→野添義弘さん
- 久々津の頭領→伊武雅刀
- 由利鎌之助→加藤和樹さん
は、存在感があって本当にかっこ良かったです(もちろん他の方々魅力的でしたが)。
やっぱりおじ様方はシブい。
個人的には『戦国武将は年配の俳優さんが演じるほど深みがあって魅力的』というのが持論です(笑)。
一方で、若い俳優さんの中で目立ったのは松坂桃李さんの存在感。
松坂さんは軍師官兵衛で黒田長政を演じていましたが、長政の時とは違った狂気があってよかったですね。
まとめ
映画『真田十勇士』の感想をまとめると、個人的にかっこいいと思える登場人物はいるものの、ストーリーとしては『???』といった感じ。
個人的に盛り上がったのは大坂夏の陣の突撃シーンくらいです。
ただ、合戦シーンや大坂城のCGは迫力があるので、歴史や史実とか関係なく観に行くのであればいいかもしれません。
真田十勇士の評価は2つに分かれているようですが、エンターテイメント作品として割り切って観れるかどうかで評価が大きく変わる作品だと思います。
ディスカッション
コメント一覧
真田十勇士は後世に作られたフィクションの講談なので、基本史実に基づいて構成している真田丸と同列に論じるのは違うかなと思います。もちろん好き嫌いはあるでしょうから、歴史と違うのは好きではないと言われればそれまでですが。くの一に関しては、2014年の舞台では比嘉愛未さんが演じており、舞台より出番は少ないように感じました。舞台はアクション時代劇コメディーという感じでかなり笑えるのですが、映画では少し滑ってる感がありました。全くベクトルを変えて、もっと重厚な演出にしても映画ならではの良さが出たと思います。
楽しそうだったので観に行きましたが、血がバンバン飛び散り楽しくもなく。勘九郎さんの歌舞伎要素を期待しましたが、まったくなく。史実はでたらめだろうとは思いながらもどんでん返しだけで目を引こうとする。途中で出ようと思った映画は初めてです。(途中で寝たことはあります)
最初の日テレってところから・・・日本テレビの大河ドラマって感じでした。
批評記事、興味深く読ませていただきました。
舞台版→映画版、と観た者です。
個人的には良い出来だったと思っています。というのも、元の舞台がコメディ色・おちゃらけ要素の強い脚本だからです。
諸説ある史実、そこにイロモノ要素を追加した構成となっているので、史実に沿ったものが好みな方にはそもそも合わない作品だと思います。ご感想は「期待したぶん残念に思った」だと思うので、「残念すぎる作品だ」と決めつける記事のタイトルには表現の方向性にズレを感じざるを得ません。
とはいえ不要な要素は確かに多かった。ただでさえぶっとんでるシナリオなのにアニメ要素やエンディングの紙芝居……観客を混乱させますよね(実際混乱しましたし、アニメ自体の出来は決して良くなかった)。ラストの佐助の台詞にもある「何が嘘か本当かわからない」や、物語の主軸となる「嘘もつき続ければ本当になる」を思えば、あれらすらもアリということになるのかな?と前向きに捉えているのですが……(^^;
また、尺の都合上、舞台の脚本をけっこう削ってるので、映画版が初見の方は「ん??」ってなるだろうな、と思いながら観てました。
舞台のノリをそのまま映画に落とし込んでいたので、その空気感も合わない人は合わないと思います。口直しにご覧になったと言う大河の真田丸にも史実にはない要素が盛り込まれているので、管理人さんが一番抵抗感があったのは、あのノリなのではないかな、と感じました。