花燃ゆで内藤剛志さんが演じる椋梨藤太(むくなしとうた)。

藩主である毛利敬親の下で政治の腕を振るった重臣です。

 

椋梨藤太は吉田松陰や高杉晋作、そしてこれらの志士達を擁護する周布政之助の最大の敵となります。

高杉晋作が自分達の改革派を”正義派”と名付けたことから、椋梨藤太は悪者として描かれることがほとんどですが、椋梨藤太には椋梨藤太の長州藩を守るという正義がありました。

 

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椋梨藤太ってどんな人?

椋梨藤太を演じる内藤剛志さんも、徹底的に悪役を演じる覚悟だと語り、ドラマでは椋梨VS周布の構図がクローズアップされています。

周布政之助役に昨年ブレイクした、石丸寛二さんがキャスティングされている事を考えても、周布の最期というのも1つの山場となります。

 

さて、この椋梨藤太という人物。

歴史的にはあまり名前が知られていませんがいったいどういった人物だったのでしょうか?

 

椋梨藤太の先祖は毛利元就の三男、小早川隆景が養子に入った、小早川氏の家臣でした。

隆景亡き後は毛利家の家臣となります。

 

そんな流れをくむ椋梨藤太は、40歳を過ぎてから藩政の中核に大抜擢された人物です。

 

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それまでは藩の歴史を編纂する部署にいたようなので、そこから政治の中枢に入ってくると言う事は、かなり政治の才があったものと思われます。

椋梨の思想は完全な保守派。

 

『日本を変えるために』と行動する松陰や高杉達とは真反対で、幕府の下で現在の状況を維持していくという考え方。

藩の財政を考えるなど、『長州藩のために』という意識が強かった人物です。

 

周布政之助との関係

椋梨藤太は主君である毛利敬親の下で周布政之助と藩内の権力を争います。

時代が幕末の動乱期という事もあり、保守派と改革派で実権は行ったり来たりでしたが、禁門の変が起きた事で事態が大きく動きます。

 

久坂玄瑞や来島又兵衛らの長州軍が禁門の変で敗れると、幕府は第一次長州征伐を行ないます。

この時に椋梨は禁門の変の責任を取らせて、毛利家の三家老を切腹させ、その首を幕府に差し出すことで幕府に恭順の意を示します。

 

さらに奇兵隊を解散させ、改革派を弾圧。

つまり、長州藩は幕府に逆らう気はなく、その命令には従うという態度をハッキリと示しました。

 

そして、最大のライバルであり、高杉晋作ら改革派の良き理解者であった周布政之助を切腹へと追込みます。

 

関連記事⇒吉田松陰や高杉晋作を支えた周布政之助の最期!!

 

高杉晋作の決起

ライバルである周布を切腹させ、保守派の実権がずっと続くと思われていましたが、この状況をひっくり返したのが高杉晋作でした。

高杉は圧倒的に劣勢な中、功山寺で伊藤俊輔(博文)と共に挙兵。

山県狂介率いる奇兵隊なども取り込み、徐々に勢力を拡大すると、大田・絵堂の戦いで藩の軍勢を破ります。

 

この勝利で椋梨の保守派は敗れ、高杉晋作たちの改革派が再び実権を握ります。

 

関連記事⇒功山寺挙兵!!回天義挙で高杉晋作が椋梨藤太を粛清!!

 

 

椋梨藤太の最期の様子

失脚した椋梨藤太は萩城から逃亡しますが、津和野藩内で捕らえられます。

この時に何人かの藩士が捕らえられていましたが、椋梨藤太は「自分だけの罪なので、自分1人を罰するように」と懇願したと伝わっています。

 

その言葉の通り、椋梨は斬首。

武士にとって名誉のある切腹ではなく、罪人としての斬首というところに、一時期に執拗な弾圧を受けた高杉晋作達改革派の恨みが込められているような気がします。

 

そして、椋梨藤太が斬首された場所は野山獄。

かつて高杉晋作が、そして師である吉田松陰も投獄された因縁の場所というのも、何か運命を感じます。

 



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