豊臣秀吉が北条氏政の小田原攻めを決め、21万という大軍で関東に攻め込むことが決まった。
北条攻めの総大将は豊臣秀次で、徳川家康が後見役となり、2つに分けた軍勢で小田原城への親交が開始されます。
簡易あらすじ
- 信繁と上杉景勝の再会。
- 秀吉軍が小田原城を包囲。
- 秀吉が家康を連れションに誘う。
- 秀吉『家康君。北条を滅ぼしたら関東に国替えね。』
- 秀吉の下での不本意な戦に気が晴れない景勝と昌幸。
- 北条氏政はストレスで激やせ。心配で風呂にも入れない。
- 伊達政宗が白装束で秀吉に臣従を誓う。
- 三成が忍城水攻めに挑戦。
- 黒田官兵衛ではなく何故か信繁が北条氏政の説得へ。
- 小田原城でまさかの小山田茂誠と再会。
関東の連れ小便
真田昌幸は徳川家康の与力となっていましたが、今回の小田原攻めは上杉景勝や前田利家と同じ別働隊として行動を共にすることになります。
これは家康を信用しきっていない三成の配慮で、昌幸も家康の指揮下から離れたことに笑みがこぼれます。
一方、秀吉の命で真田家と距離を置いていた景勝は少し気まずい様子。
しかし、信繁がその心を察して景勝に対する思いが変わっていない事を伝えたため安堵の様子を浮かべる。
当時、惣構えを築き日本最大の城郭となっていた小田原城も秀吉の大軍に包囲され、余裕の秀吉は早雲寺に本陣を構えます。
秀吉の使いで徳川家康の陣に向かった信繁。
家康は信繁を立小便い誘い、秀吉が今回の小田原攻めの総大将に自分を任命しなかったのは信頼されていないからだと愚痴をこぼします。
家康は北条氏直に嫁がせていた娘も離縁させて連れ戻すことを信繁に伝え、自分に二心がない事が間接的に秀吉に伝わるように仕向けます。
そんな家康たちを呼びつけた秀吉は、今回の北条攻めが伊達政宗ら奥州や陸奥、出羽の大名たちに対する威嚇でもあり、長期戦になるためそれぞれの妻子を呼び寄せるようにと通達します。
もちろん、秀吉は陣中に茶々を呼び寄せる計画。
すると今度は、秀吉が家康を連れ小便に誘い出し、北条を滅ぼした後にはその領地を全て家康に与え、関東に国替えさせる計画である事を告げます。
北条氏政の苦悩
小田原城に籠城することを決めた北条氏政は伊達政宗が軟化してきたタイミングに合わせて城から打って出るという計画を立てるも、氏直と江雪斎は伊達が北条の味方になるとは到底思えない様子。
氏政は完全に時流を読み違えています。
一方、大坂城では茶々が秀吉の元へ出向くことが決まり、寧は城に残って捨の世話や公家の対応をすることに。
表向きは強がるものの寧の中には寂しさが募ります。
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忍城攻め
別働隊として東山道を進軍して松井田城を落とした昌幸と景勝。
松井田城内で酒を酌み交わす2人は秀吉のために戦う事と大義のない戦を続けることに悩んでいました。
その酒宴の席で忍城攻めは真田が単独で取りかかる事が決定。
昌幸はゆっくり攻め落とすように言いつけ、その全権を信幸に任せます。
その意味を考える信幸に出浦昌相が北条と手を結べば秀吉に勝てると進言。
信幸は再び乱世に戻そうという昌相とは相容れず、昌相から遠ざけるため佐助を信繁の元に使わします。
一方、小田原城に籠城している北条氏政はいつ攻め寄せてくるか分からない豊臣軍が心配で風呂にも入れず心労から顔もやつれていました。
北条が攻め滅ぼされるのではないかと弱気になる氏政に江雪斎は長期戦では勝ち目がない事を進言しますが、最後まで伊達政宗を信じている氏政は素直に意見を聞くことができません。
秀吉の陣には茶々や出雲阿国が集まり陽気なムード、しかし、忍城を攻めていた信幸は苦戦を強いられていました。
これに苛立ちを露わにしたのが石田三成。
伊達政宗が参陣しない事にも苛立っていた三成は計画が狂ったと取り乱します。
この様子を見た大谷吉継は三成は賢い男だが人を動かすには場数が足りないと感じます。
しかし、間もなくして伊達政宗が白装束を着て秀吉の元に訪れ臣従を誓い、北条は時代に取り残されます。
伊達政宗が降ったことで小田原城をいっきに攻め落としたい秀吉ですが、大谷吉継が石田三成に経験を積ませるために総大将として忍城攻めを任せてみてはと進言。
秀吉もこれを採用します。
一方、江雪斎の説得に応じた氏政は本領安堵や豊臣家の重臣として丁重に扱う事を条件に降伏を申し出ます。
この身勝手な要求に秀吉は激怒。
戦上手の氏政は生かしておいた方がいいという家康や吉継の進言もあり、この事案を片付けておくようにと言い残し、茶々と温泉へ出かけていきます。
小山田茂誠再登場
上杉景勝の陣を訪れた石田三成は景勝や昌幸たちに八王子城に向かうように指示。
忍城は自分が総大将となり、水攻めで攻め落とすという作戦を披露します。
水攻めは時間がかかるため得策ではないとする昌幸に、三成は4日で十分だと自信をのぞかせます。
しかし、三成の思い通りに事は運ばず、三成は忍城攻めに苦戦することになります。
一方、信繁は大谷吉継と徳川家康から呼び出され、小田原城内に出向いて氏政を説得するようにとの密命を受けます。
これは以前、聚楽第で議論した本多正信と板岡部江雪斎が推挙したもので、信繁は小田原城に入城。
するとそこで、信繁の姉である松の夫・小山田茂誠と対面することになります。
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23話の感想
23話は追いつめられて豹変していく氏政の姿が印象的な回でした。
そんな中、冒頭で秀吉の伝令として各大名の陣を回る信繁。
背中に何か背負っていましたが、これが何か気になった人も多いのではないでしょうか?
今回、信繁が背中に背負っていたのは母衣(ほろ)といって、流れ矢を防ぐと同時に旗指物の役目を果たすものです。
それにしても母衣もそうですが、秀吉や北条氏直の陣羽織など、戦国武将のファッションはきらびやかでお洒落ですね。
そして、吉継の提案で決まった三成の忍城出陣。
目戦上手とされる景勝や兼続、昌幸に対してドヤ顔で水攻めの策を披露する三成。
『ダメだこいつ・・』って感じで完全にあきれ返っていた一同ですが、何か本当の三成もこんな感じだった気がしますね(笑)
昌幸や景勝も『誰を前にして戦の講釈を垂れているんだ?』と思っていたでしょう。
まあ、ここからの忍城攻めの詳細は映画『のぼうの城』を見た方がセットなどもかなり本格的なので、当時の様子などを知るのにもいいと思います。
そして真田丸主人公補正で何故か小田原城に乗込む信繁。
これはもちろん真田丸のオリジナル設定で、実際は黒田官兵衛の役目。
個人的には真田丸は信繁の主人公補正が少ないから面白いと思っていたのですが、今回の小田原城への侵入のように、明らかに関わっていない信繁を無理矢理ねじ込んでくるとちょっと興ざめしてしまいます。
良い役者さんがいっぱいいるんだから、何もここは信繁が侵入しなくても良かったんじゃないかと思います。
本多正信が秘密裏に説得工作を行っていたという方が、まだ違和感がないような気がしました。