軍師官兵衛で活躍する女性特集!!
2人目は黒田家の元気な”はねっ返り”糸姫です。
糸姫は羽柴秀吉の家臣である蜂須賀小六(正勝)の実の娘。
秀吉はこの糸姫を養子に迎え、官兵衛の息子・黒田長政との政略結婚を進めていきます。
軍師官兵衛では糸を高畑充希さんが演じますが、この結婚は糸姫にとって悲しい結末をもたらし、両家の間に絶交という大きな溝を作ってしまいます。
戦国時代の政略結婚
小六と官兵衛は備中高松城の講和を成立させるなど秀吉にはなくてはならない存在でした。
そんな両家との関係を深めるために秀吉は蜂須賀小六の娘・糸と黒田官兵衛の息子・長政を結婚させます。
この時秀吉は、糸を一度自分の養女にしてから長政の元に嫁がせているので、表面上は羽柴家と黒田家の婚姻ということになります。
戦国時代は出来るだけ多くの家と婚姻関係を結んで絆を深めたいという思惑があったので、とにかく多くの子供を生む事がいい事でした。
しかし子供がいない場合はこのように一度、家臣の娘を養子としてから結婚を進めることがありました。
形式的なことなのですが、養女とはいえ主君の娘を嫁にもらえるということは名誉な事であったようです。
(毛利家の場合、毛利元就の長男・隆元の妻は大内義隆の家臣内藤氏の娘を義隆が養女としてから結婚させたものです。)
現代の感覚からすると、形だけの事で全く意味がないような気がしますよね(笑)
黒田長政と糸の結婚
2人は秀吉と徳川家康の間に小牧長久手の戦いが起こった年に結婚しています。
秀吉にとっては信長亡き後の羽柴家の家臣の結束を磐石にすることに力を入れていた時期で、この政略結婚もその1つです。
ドラマの中でも生意気だけど、どこか憎めないキャラの高畑充希さんの糸姫が、すっかり定着していますが、結婚当時、長政が17歳、糸が11歳という若さで、2人の間には女の子が1人誕生します。
しかし、いつの頃からか長政の気持ちは秀吉より家康に傾いていたようで、秀吉が亡くなると糸を離縁して徳川家康の養女・栄を正室として迎えます。
これは、次の天下人が家康だと見定めて、家康に擦り寄るための行動か、糸との夫婦仲が冷めていたところに家康が婚姻の話を持っていったのかは分かりませんが、蜂須賀家からすると失礼極まりない話です。
蜂須賀家との絶交
この時、官兵衛の友人でもあり、糸姫の父親である蜂須賀小六はすでに亡くなっていましたが、小六が生きていたら長政も離縁なんかできなかったはずです。
というより、長政が小六に殺されそうな勢いですよね。
これが原因で黒田家と蜂須賀家は100年以上絶交状態が続きます。
私もこれに関しては長政(黒田家)に非があると思っています。
詳細は分かりませんが、長政が糸のことを政略結婚の道具としてしか見ていなかったと言われても仕方が無いかもしれません。
長政と離縁した後の糸は蜂須賀家に戻り暮らしたと言われています。
長政と栄姫の間には男子を授かるのですが、糸との間に女の子(菊)しかまれなかったのも大きいのかもしれません。(ちなみに、菊は井上九郎右衛門の子供の元に嫁いでいます。)
妻を正室の光だけに止めた官兵衛と違い、長政は自身の妻に関してもドライに割り切ることのできる人物だったのかもしれません。
とは言え、天国の義父・小六に申し訳ないと思わないのか?長政・・・。
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