真田丸の第40話『幸村』は、そのタイトル通り名将・真田幸村の誕生シーンが描かれました。

 

真田家伝統のくじ引きで名前が決定するという意外な結末でしたが(笑)、何はともあれ『日本一の兵(つわもの)』と呼ばれた真田幸村が誕生しました。

 

40回の放送に合わせて大坂城で行われたパブリックビューイングのイベントでは、大坂の陣で幸村が率いた兵3500人よりも多い5千人を超える真田丸ファンが集まったそうです。

 

長い長い序章(昌幸編)が終わって、ここからいよいよ短期集中型の本編の始まり。

 

そして、今後の注目は幸村がどのようにして武田家の精鋭部隊が着用した赤備えの軍備を導入していくのかということ。

個性あふれる大坂五人衆の活躍と併せて期待したいですね。

 

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片桐且元の苦悩

今回は豊臣秀吉の下で賤ヶ岳七本槍の1人として勇名を馳せた片桐且元の苦悩がピックアップされましたね。

 

七本槍の1人というのが信じられないくらい、真面目で不器用な人物として描かれた且元。

戦を回避するために豊臣と徳川の間を駆け回ったのは間違いなくこの且元だったと思います。

 

ただ、この時に豊臣の中枢部で権力を持っていたのは淀殿と、淀殿の乳母であり幼いころから淀殿を見守ってきた大蔵卿局。

そして、その息子で淀殿の幼馴染の大野治長。

 

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どれだけ頑張ろうと身内で固まった豊臣中枢部に且元の居場所はなかったのかもしれません。

 

そもそも、家康は且元にはわざと冷たく接し(面会もせず)、大蔵卿局には『何も心配ない』と二股外交をしていたとされます。

いってみれば、ただ難癖をつけたいだけのハードクレーマーと同じ。

 

ドラマ内のように何をやっても裏目裏目に出てしまい、『頼りない』『無学』『度胸も知恵もない』と言い放たれる可哀想な且元でしたが、結局は誰が交渉役になっても同じ結果だったはずです。

この時、大名となり家康陣営に取り込まれていた福島正則や黒田長政たちとは違い、秀頼の傅役(もりやく)としてずっと側に付いておかなければいけなかった且元は本当に厳しい立場だったと思います。

 

何かあっても自分の独断で決めることはもちろん無理。

かと言って、指示を仰ぐとすればて若い秀頼と淀殿しかいません。

 

そこに大蔵卿局や大野治長の横やりが入ってくるとなると、本当に胃に穴が開くような環境です。

 

真田丸の豊臣秀頼は聡明で思慮深い名将の雰囲気を漂わせていますが、実際にこの時の豊臣家というのは、人の上に立つ器でない人が上層部にいるという末期症状になっていたんだと思います。

これは現代の会社などでもよく聞く話ですよね?

 

徳川家康という悪意を持ったハードクレーマーの対応はお客様相談室長の片桐さんの独断ではできない、しかし上層部もこれといった対応策を考えられない。

それなのに『頼りない』『無学』『度胸も知恵もない』と言われてしまう片桐且元の境遇に共感できた人も多いのではないでしょうか?

 

小林さんが哀愁の漂う良い演技をされているだけに、今後、もっと悲しい結末が待っていると思うとちょっと見るのが辛いですよね。

 

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きりの成長

真田丸開始当初は『うざい』『必要ない』『1人だけ完全に現代語なのがおかしい』と大批判されていたきりが、九度山編に突入してからは別人のように成長していますね。

 

今回、くすぶる幸村の本心を見抜き、背中を押したきりの言葉はとても感動的でした。

僕も最初は『きりって必要ないだろ・・・。』と思っていましたが、ここにきてきりの株価はストップ高です。

 

『今まで何してきたの?』

『何を残したの?』

 

ただ、これは時代を問わず『男に言ってはいけない言葉ベスト10』に入ってると思いますよ。きりさん・・・。

 

そして僕が笑うと同時に嬉しかったのが、『北条氏政を説得したのは何とか官兵衛という人』ときりがいった事。

『官兵衛』が出てきて『黒田』が出てこんって・・・(笑)。

 

普通なら『黒田長政様のお父上』とか『黒田なにがし』って言いそうなものですよね・・・?

でも、それをあえて『官兵衛』という名前を出してくるのは三谷さんのユーモアとサービス精神なんでしょう。

 

何げないシーンですが、僕はこのシーンに真田丸の人気の秘密があるような気がしました。

 

歴史に思い入れの無い人が歴史ドラマを作ると全てが主人公補正されてしまい、あまりの強引さに歴史好きの人は興味を無くしてしまいます。

きっと、三谷さんでなければ今回の北条氏政を説得したというのも信繁(幸村)ということでそのままスルーされていたでしょう。

 

あまり歴史に興味のない人にも分かりやすいのでこれはこれでいいと思います。

ただ、きっちりと史実の話として回収してくれることで歴史好きの人達も『三谷さんはちゃんと分かっててやってるんだな~』って嬉しくなっちゃうと思うんですよね。

 

こういった部分がドラマの随所に見られるから、昔から大河ドラマを見ている人と、新しく歴史に興味を持った人の両方が支持するんでしょうね。

 

ホント、真田丸は素敵なドラマだと思います。

 

そして次回は遂に幸村が大坂城に入城します。

大坂入城を果たす前の、佐助と服部半蔵の戦いも楽しみです。

 

何てったって、半蔵は加藤清正を毒殺する手練れの持ち主ですからね。

 

大坂編が始まると、中心となる大坂五人衆に加えて、木村重成薄田隼人塙団右衛門という新しい顔ぶれが登場します。

 

この中で僕が注目しているのは毛利勝永。

大坂の陣では『実は真田幸村以上に凄かったんじゃない?』と言われている武将です。

 

真田丸では岡本健一さんが渋い勝永を演じているので是非ご注目を!!

 

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