幕末から明治の時代に活躍する人材を多数輩出した松下村塾。

この松下村塾で教鞭をとったのが吉田松陰です。

 

松陰は幕末の思想家で、松陰の教えを受けた塾生たちは、命を顧みることなく、時代の渦の中に身を投じていきます。

多くの塾生の心を動かし、歴史に名を残す人物を数多く育てた吉田松陰の魅力とは何だったのでしょうか?

 

今回は、その吉田松陰が残した数々の名言の中からいくつかを選んでご紹介します。

 

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松下村塾の塾生

吉田松陰が叔父から受継ぎ、多くの志士を教育した松下村塾。

塾生には久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文、山縣有朋、品川弥二郎がいます。

 

桂小五郎(木戸孝允)は、松下村塾の塾生ではありませんが、松陰が長州藩の藩校 明倫館で山鹿流兵学教授になって講義をしていた時に松陰の講義を受けていました。

なので、一応、松陰の教え子ということになります。

 

実際に桂小五郎は塾生ではなくても松陰に対し礼を尽くして接していたようで、松陰の世話を焼く事も多かったといいます。

小五郎は過激な行動の多かった松陰のフォローをしていたのかも知れませんね?

 

現代に写真も伝わっているので桂小五郎の顔をご存知の方も多いと思いますが、桂さんは顔だけでなく間違いなく心もイケメンです(笑)

 

関連記事→木戸孝允(桂小五郎)ってどんな人?吉田松陰との関係や最期の様子を紹介!

 

野山獄でたどり着いた福堂策という考え方

吉田松陰はペリーの黒船での海外渡航に失敗した後、萩の野山獄に投獄されます。

普通であれば罪人としておとなしく過ごすはずの牢獄ですが、松陰は野山獄の囚人達と勉強会のようなものを開催し、獄内の雰囲気を一変させたと伝わっています。

 

そんな囚人達との交流の中から見出した松陰の答えが『福堂策』です。

 

人賢愚(けんぐ)ありと雖(いえど)も、

各々(おのおの)一、二の才能なきはなし

 

人間には賢い者と愚かな者がいる。

しかし、どんな人間でも一つや二つのすぐれた才能を持っている。

ひとりひとりの個性を育てれば、それぞれの特徴を持った立派な人間になることができる。

 

獄を罪人を閉じ込めておくだけの場所ではなく、更正させ、希望を持たせるための施設にしていくという考え方です。

これは、当時のアメリカの獄のやり方を手本にしたものだと言われています。

 

吉田松陰の名言

 

 「夢なきものに理想なし」

 

「夢なき者に理想なし 理想なき者に計画なし 計画なき者に実行なし 実行なき者に成功なし 故に夢なき者に成功なし」

 

現代の私達にも通じる、吉田松陰らしい真理をついた言葉だと思います。

 

何かを始めても途中で物事を投げ出したり、最後までやり通せない時は正しい夢を抱くことが出来ていないからなのかもしれません。

まずは、本当に自分のやりたい事を見つけ夢を抱くことが全ての始まりだということですね。

 

夢や理想(目標)を持たなければ、計画も実行もないので、ぼーっと人生の時間を浪費してしまうだけになります。

あなたは夢や理想を描いていますか?

 

「志定まれば」

 

「志(こころざし)定まれば 気盛んなり」

 

先ほどの名言に通じる部分がありますが、自分のやるべきことが決まれば、気力は湧いてくるという意味。

やりたくもないことを嫌々やっていても、気力は湧いてこないので、まずは自分のやるべき事を見つける事。

自分の使命を自覚することと言えますね。

 

人はある程度目標が定まっていれば努力できるものです。

一番苦しいのは何をやっていいのかがハッキリと分からない時。

 

そんな時は行動できない自分を責めるより、ゆっくりと時間をかけてでも、自分の向かうべき方向を決めることが大切です。

 

「義は勇によっておこなわれ、勇は義によって長ず」

 

「義は勇によっておこなわれ、勇は義によって長ず」

 

吉田松陰が叔父である玉木文之進の息子の元服祝いに送った士規七則の中の言葉です。

立派な武士になるための心得を書き送ったこの士規七則の現物が、確か萩の松陰神社にある至誠館に展示してあったと思います。

 

士規七則は次の3項目に要約されます。

 

  • 志を立てる事が全ての始まり
  • 良い友人と良い師匠を持つこと
  • 読書をして歴史を学ぶこと

 

そして、その中にある言葉が、「義は勇によっておこなわれ、勇は義によって長ず」です。

これを私訳すると以下のようになります。

 

正しい事(正義)は勇気によって行動に移され、勇気は正しい事を知ることによって成長する

つまり、自分が正しいと思う事(正義や使命)をハッキリと認識できれば、それを行う時に勇気は発動されるという意味です。

 

やはり、普段の自分との対話の中で、自分の哲学を形成し、正義や使命を理解しておくことが大切です。

 

 「至誠にして動かざるは」

 

「至誠(しせい)にして動かざるものは未だこれ有らざるなり」

 

中国の儒学者 孟子の言葉を引用したもので、誠意をもって事にあたれば、どのような事(状況)でも必ず動かすことができるという意味。

吉田松陰が盟友である小田村伊之助に送った名言です。

 

関連記事⇒吉田松陰の盟友となる小田村伊之助(楫取素彦)とは?

 

誠を尽くして動かないものはない=誠意をもって行動すれば必ず道は開ける。

 

自分の志が決まったら、後は心をこめてひたすら物事にあたるだけだという、まさに吉田松陰の人生を現す名言です。

本当に吉田松陰の名言には自分の保身を考えない潔さや、事を成すための覚悟が見て取れます。

 

そして、その言葉に行動が伴っていたからこそ、吉田松陰という人は多くの志士から尊敬される存在だったのだと思います。

「夢なきものに~」という名言は、本当に核心を突いていますよね。

 

関連記事→【号泣必至】吉田松陰の最期の様子と辞世の句を分かりやすく解説!!

 



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