挾土秀平(はさどしゅうへい)さんという左官職人がいるのをご存知でしょうか?

左官とは壁や土塀をコテを使って塗っていく仕事の事で、建築現場などでよくコテを持った左官職人さんを見かけると思います。

 

2016年に放送されるNHKの大河ドラマ『真田丸』では題字(タイトルデザイン)をこの左官職人の挾土秀平(はさどしゅうへい)さんが担当しています。

 

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真田丸の題字

家の壁を塗っている左官職人が大河ドラマ『真田丸』の題字を書く・・・?

何のことかよく分かりませんよね(笑)

 

実はこの挾土秀平(はさどしゅうへい)さんはただの左官職人さんではなく、芸術家の一面も持ち合わせています。

そのため、今回の真田丸の題字を書く(描く)ことになったようですが、挾土(はさど)さんが書いた真田丸の題字、ハッキリ言って超カッコいいです。

 

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画像引用:http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/2000/226649.html

 

和の感じを前面に押し出し、力強さも感じられる豪快かつ繊細な雰囲気がありませんか?

私は初めて見た時、思わず「かっこいい~」と呟いてしまいました。

 

基本的にはNHKの大河ドラマの題字は筆などで書かれたものが多いですが、今回は土に書かれた文字。

この題字にはこだわりがあり、真田の赤備えをイメージした飛騨高山の赤土を使い、左官に使うコテを使って力強い文字が刻まれています。

 

個人的には、ここに六文銭が入っていればな~と思いましたが、それにしてもカッコいい題字です。

そして、この真田丸の題字を製作した時の挟土さんのコメントがまたカッコいいんです。

 

撮影スタジオに巨大な赤土の壁を用意して製作された真田丸の題字。

 

この時の事を挟土さんは、

 

『最初に赤土にコテをつけた時と最後に”丸”を書き終わった時のことくらいしか覚えていない。』

『神様が書かせてくれたんじゃないかな?』

 

とおっしゃっています。

 

こんなカッコいい台詞をいう職人さんがいますか?

でも本当にそう思わせるくらい、今までにない素晴らしい題字ですよね。

 

挾土秀平(はさどしゅうへい)

私が初めて挾土秀平(はさどしゅうへい)さんを知ったのはNHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』という番組。

 

内容が面白くて、夢中で見たのを覚えています。

挾土秀平という人物を簡単に説明すると、先程も紹介したように家の壁を塗る左官職人さん。

 

しかし、現代に溢れる多くの左官屋さんのように、モルタルや仕上げ剤を塗るのではなく、自然の土や素材を使って壁を塗るというスタンスをとっています。

 

 

自然の素材を使った壁は何とも言えない味わいを出し、さらにそこに模様やオブジェを組み込むことによって、芸術的なアートのような壁が作り出されます。

それはもう、壁と呼ぶよりも1つの作品といった素晴らしさです。

 

現在は海外からの仕事の依頼もあり、挾土さんに仕事を頼もうと思っても、かなり先まで予約待ちが出ている状況。

 

挾土さんの率いる職人集団は、完全に左官職人+芸術集団としての地位を築き上げています。

アマン東京にある挾土さんの作品。

 

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画像出典⇒アマン東京公式HP

 

壁ではなく作品、左官職人じゃなくて芸術家と言った表現が正しいと分かってもらえるのではないでしょうか?

そんな挾土さんの性格は超臆病。

 

『人は常に恐怖や不安がある事で、失敗しないように頭を使うので、その方が最善を尽くせる。』

『慢心が油断を生む。』

 

といった事を信条にされています。

 

職人さんは自分の腕と経験に自信を持った人が多いイメージでしたが、この辺りの感覚も普通の職人さんとは違うようです。

 

しかも矢沢永吉さんの大ファン。

大きな仕事が終わると、矢沢永吉の歌をカラオケで熱唱するのがお決まりで歌も上手。

 

本当に人間味の溢れる職人であり芸術家さんです。

動画でも少し触れられていましたが、考えてみると現代では自然の土を使った壁だけでなく、昔ながらの工法で建てられた家というのをほとんど見ることがなくなりましたね。

 

NHKの番組に出演

そんな挟土さんが何故真田丸の題字を書くことになったのか?

それはおそらく、NHKの番組に多数出演されているから。

 

挟土さんは先程も紹介した『プロフェッショナル 仕事の流儀』や『仕事ハッケン伝』等のNHK番組に出演されています。

そこで、挟土さんの造りだす壁の芸術の高さが注目されていたので、それをNHKが真田丸の題字に使おうと思ってもおかしくはないですよね。

 

2015年の10月26日に放送される『プロフェッショナル 仕事の流儀』の特番では、ナインティナインの岡村隆史が出演されるのですが、その時に挟土さんと岡村さんの対談があります。

大の『プロフェッショナル 仕事の流儀』ファンとして知られる岡村さんも挟土さんには何かシンパシーを感じていたのかもしれません。

 

2016年は、この赤土に刻まれた真田丸の題字が歴史ファンのテンションを上げてくれることになりそうです。

 



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